「別居しているのに離婚しないのはなんでだろう?」
「離婚しないで別居するほうが得なのかな?」
とお悩みの人もいるのではないでしょうか。
夫婦が離婚せずに別居をしている理由は、「お互い納得のうえで夫婦関係を継続している場合」と「一方が離婚に同意してくれない場合」のケースがあります。
このどちらかのケースによって離婚をしない理由は変わってきます。
そこでこの記事では、状況別に離婚をしないで別居をする理由を紹介していきます。
また、なぜ別居を選ぶのかというメリットについても解説します。
現在、離婚・別居でお悩みの人はこの記事を参考に、自分がどういう選択をすべきなのかを考えてみてください。
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夫婦が離婚をせずに別居をしている場合、次の2つのケースが考えられます。
ここではそれぞれのケースに分け、夫婦が離婚をせずに別居をしている理由とメリットを紹介していきます。
まず、夫婦がお互い納得済みで別居をしている場合、その理由には次の3つが考えられます。
順に見ていきましょう。
夫婦が離婚をすることなく別居で踏みとどまるのは、子どもへ与える影響を少なくしたいと考えるためです。
離婚をするときに子どもへ与える影響は、大きく分けて2つあります。
1つ目は親権についてです。
夫婦が別居をしていたとしても離婚さえしていなければ、子どもの親権は双方に属します。
ところが、離婚するとなれば、親権は父親か母親のどちらか一方しか持てません。
子どもが小学生以上など、ある程度分別のつく年齢に達していれば「お父さんとお母さん、どっちについていきたい?」などと、本人に意見を聞く場合もあります。
しかし、虐待をしている親など一部の親を除き、子どもの多くは父親のことも母親のことも大好きです。
そのため、親権に関して子どもに選択権を与えるのは酷な話であり、子どもに強いストレスを与えかねません。
また、母親が親権を持つことになった場合、子どもの名字を母親の旧姓に変えることがあります。
そうなれば、子どもは親が離婚したことを友達に知られることになり、つらい思いをする恐れがあるのです。
2つ目は金銭面についてです。
離婚をすると1人で子どもを育てていかなければなりません。
元配偶者から養育費はもらえますが、その金額が十分ではなかったり、なかには支払い自体を拒否したりする人もいます。
そのため、金銭的に苦しくなり、子どもの進路や習い事などに関して、選択肢を狭めてしまう可能性が否定できません。
以上のように、離婚をすると親権や金銭面において、子どもの精神状態に少なからず影響を与える恐れがあります。
しかし、当然親の多くは、自分たちのことで子どもにできる限り迷惑をかけたくないと考えています。
そのため、離婚ではなくあえて別居を選択する夫婦もいるのです。
世間体を悪くしたくないという理由で別居を選ぶ夫婦もいます。
近年、離婚はそうめずらしいことではなくなってきましたが、やはり世間体を気にして離婚に踏み切れないという人も少なくありません。
たとえば、女性は離婚をすると旧姓に戻るため、離婚をしたことを周りの人たちにすぐに知られてしまいます。
すると、なかには離婚をした理由を詮索してきたり、本人が望んでいないにもかかわらず再婚を勧めてきたりする人もいるため、不快な気持ちになることがあるのです。
また、1人親だとローンの審査が通りにくくなったり、出世に支障を来したり、子どもの受験で不利になったりする可能性も否定できません。
このように世間体を悪くしたくないという理由で、離婚を踏みとどまって別居を選ぶ人もいます。
夫婦関係を修復するために、離婚はせずに一旦別居を選ぶ夫婦も少なくありません。
たとえば、同居をしていると相手の嫌なところばかりが目についてしまったり、いつの間にかマンネリ化してしまったりします。
こうしたストレスやマンネリは、相手と一緒に暮らしてみて初めて気づく人も少なくありません。
しかし、そこで一旦別居をしてみるとどうなるでしょうか?
離れて暮らすことで「こんなことをやってくれてたなあ」と相手の長所に気づいたり、「こんなところがいけなかったのかも」と自分の短所に気づいたりするのです。
こうして別居という冷却期間を設けて適度な距離を保つことで、お互いの心境に変化が現れ、同居しているときよりも円満な関係を築ける場合もあるのです。
また、離婚ではなく別居であれば、子どもが寂しがったとしてもすぐに関係を戻すことができます。
このように相手との関係を修復するために、離婚はせず、まずは別居をしてみるという夫婦も少なくありません。
一方で、夫婦のどちらかが離婚を拒否していて別居をしている場合、その理由には次の4つが考えられます。
こちらも順に見ていきましょう。
相手から提示された離婚条件に納得できず、離婚を拒否して別居を選択するケースがあります。
離婚をする際は、親権や養育費、慰謝料や財産分与、面会交流の頻度や方法など、さまざまな条件を取り決めますが、それが必ずしも適切なものであるとは限りません。
「親権は絶対に譲らない」「養育費や慰謝料が足りない」などと双方の主張が対立し、折り合いがつかなくなることがあるのです。
このように双方が離婚を望んでいたとしても、どちらかが離婚条件に納得ができず、仕方なく別居を継続するケースもあります。
相手からの経済的な支援を得られるために、あえて別居を選ぶ人もいます。
民法第760条では、婚姻費用(生活費)は夫婦の収入や資産、事情に応じて分担することが定められています。
つまり、主に妻側の話ですが、たとえ別居中であっても生活費の請求権を有しており、離婚さえしなければ相手に対して生活費を請求できるのです。
(婚姻費用の分担)
第七百六十条 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。
(引用:「民法|e-Gov法令検索」より)
しかし、離婚を選べば子どもの養育費は請求できますが、自分の生活費までは請求できません。
特に、それまでパート勤務や専業主婦だった妻が親権を得た場合、離婚後に子どもを1人で育てながら生計を維持するのは至難の業です。
ところが、別居を選べば自分の分も含めた生活費をもらえ、今までと変わらない生活ができるのです。
このように別居はしていても、法律上離婚が成立していない限りは相手から経済的な支援を得られるため、あえて別居を選ぶ人もいます。
相手へ復讐するために、離婚をせずにあえて別居を貫く人もいます。
不倫をされた側は、相手とその不倫相手の関係が上手くいったり、再婚したりすることを当然良く思いません。
相手が自分や子どもを見捨てて、自分だけ幸せになるなんていうことは許せないのです。
そのため、相手に対する愛情をすでに感じられなくても、相手とその不倫相手を困らせて復讐するために、離婚を拒否してあえて別居を貫く人もいます。
長期別居を理由として離婚するために別居をしている人もいます。
夫婦間で離婚話がまとまらず離婚訴訟を行うことになったときに、相手からの合意が得られなくても5年以上別居をしていれば、離婚できる可能性があるのです。
離婚訴訟では、民法第770条1項で定められている法廷離婚原因が存在していると認められれば、離婚判決が出されます。
(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
(引用:「民法|e-Gov法令検索」より)
長期別居は、このうちの五の「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当します。
具体的には別居期間が2年半以上になると、離婚判決が出される可能性が上がっていき、5年以上になるとその可能性はかなり高いと言えます。
なお、同居中はよほどの事情がない限り離婚判決は出されず、2年半未満の別居も出される可能性はあまりありません。
長期別居は、離婚判決を出すかどうかの重要な要素なのです。
(参考:レイスター法律事務所「離婚しないで別居を続ける理由と別居しつつ離婚しない状況が継続可能な期間」より)
離婚訴訟については、裁判所のホームページをご覧ください。
それでは反対に、夫婦が離婚をせずに別居を選んだときのデメリットには、どんなものがあるのでしょうか?
それには以下の3つが考えられます。
以下で詳しく見ていきましょう。
夫婦が離婚ではなく別居をするデメリットとしてまず挙げられるのが、再婚の機会が減ってしまうことです。
離婚をしていない限りは、別居期間中でも婚姻関係が継続しているため、再婚ができないのです。
どちらかが離婚を拒否している場合、別居期間中に恋人を作ると、民法第770条1項における離婚事由としての不貞行為に該当するため、当然再婚もできません。
(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
(引用:「民法|e-Gov法令検索」より)
そして、別居期間中の不貞行為が原因で離婚することになれば、慰謝料を請求される恐れも出てきます。
また、別居を続けているうちに年齢を重ねてしまうことも、再婚のチャンスを減らしてしまうことになりかねません。
このように、離婚をせずに別居をする大きなデメリットとしては、ほかに恋人を作ると不貞行為と見なされるため、再婚の機会が減ってしまうことが挙げられます。
もともと相手の浮気から別居に至った場合、その浮気が発展してしまうというデメリットもあります。
別居をすることで、相手が開き直る余地を与えてしまうからです。
相手の浮気が原因で別居をすると、逆に「自分はもう自由の身だ!」と、その浮気を加速させかねません。
しかし、だからと言ってこちらも対抗して新たに恋人を作ってしまうと、前述した民法第770条1項の離婚事由に該当し、強制的に離婚させられてしまうのです。
そうなると相手だけが自由になっているのを見て、ストレスが溜まることは避けられません。
このように、相手の浮気が別居の原因だった場合は、別居を続けることでその浮気が発展してしまうこともデメリットだと言えます。
相手に対して経済的な幇助をする必要があることも、離婚ではなく別居を選ぶデメリットの1つです。
前述したように、別居をしていても離婚が成立していなければ、婚姻費用の支払いが発生するからです。
これは主に夫側の話で、離婚さえしていなければ相手から婚姻費用を請求されるため、別居中であっても経済的な負担はそれまでと変わりません。
そうなると、金銭だけ援助するということに不満を持つ人も出てきます。
また、今は幇助を受ける側であったとしても、相手が病気やけがにより収入がなくなったときには、今度はこちらが幇助する必要も出てくるのです。
このように法律上夫婦である限り、一方に対して経済的な幇助をする必要があることも、別居中のデメリットだと言えます。
上記で別居のデメリットを確認し、離婚へ話を進めたいと思った人もいるのではないでしょうか?
ここでは、別居から離婚を進める方法を紹介します。
それには主に3つの方法があります。
以下で解説していきます。
別居から離婚へと話を進めるためには、まず離婚条件を見直すことから始めましょう。
離婚条件に対して相手の合意が得られれば、離婚を進められる可能性が高くなるからです。
たとえば、慰謝料や養育費、財産分与や解決金、子どもと面会交流する頻度などに関しての条件です。
相手が経済的な不安から離婚に応じない場合は、慰謝料や養育費、財産分与の金額を多めに提示すると効果的です。
また、法律上の規定はありませんが、解決金を支払うと離婚に応じてもらえる可能性が高くなります。
相手が子どもと一緒に暮らしたいという理由で離婚に応じない場合は、面会交流を頻繁に実施する、という条件を提示すると効果的です。
このように、相手が今後の自分や子どもの生活に不安を感じるような場合は、離婚に合意しにくいのです。
その場合、譲歩できるところは譲歩しなければ、離婚へと話を進めることができません。
したがって、離婚を望んでいる側は一度離婚条件を見直し、相手が離婚してもよいと思えるような条件を再度提示してみましょう。
別居から離婚に持ち込むためには、長期別居を離婚理由に話を進めることも効果的です。
前述したように離婚訴訟においては、5年以上別居をしている場合、相手の合意が得られなくても離婚できる可能性が高くなるからです。
ここでもう一度確認しておきましょう。
(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
(引用:「民法|e-Gov法令検索」より)
長期別居は、このうちの五の「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当し、別居期間が5年以上になると離婚判決が出る可能性がかなり高くなります。
なお、2年半未満の別居は、離婚判決が出る可能性は少ないと言えます。
(参考:レイスター法律事務所「離婚しないで別居を続ける理由と別居しつつ離婚しない状況が継続可能な期間」より)
このように、長期別居を離婚理由に話を進めるのも効果的です。
場合によっては別れさせ屋に依頼をするというのも1つの方法です。
別れさせ屋に依頼をすることで、相手が離婚に合意をしてくれる状況に持ち込んだり、あるいは不貞行為を理由に離婚の方向に進めたりできるからです。
別れさせ屋とは、夫婦やカップルなどの男女を別れさせるための業者のことです。
依頼人の「◯◯と別れたい」「◯◯と△△を別れさせたい」といった依頼内容に応じて、別れさせるための工作を仕掛けます。
まず、ターゲットの性格や異性の好み、趣味やライフスタイルなどを調査し、その結果をもとに別れさせ工作を計画・実施します。
よく使われる方法は、異性の工作員が接触して恋愛関係に持ち込むハニートラップです。
このハニートラップによって自分とは別のパートナーを作り上げ、これを不貞行為として相手を有責者に仕立て上げることで、相手の合意なしに離婚ができるのです。
相手がどうしても離婚に応じてくれないときは、このように別れさせ屋に依頼をするという方法もあります。
参考記事:別れさせ屋とは
別居から離婚をしたいと思う人がいる一方で、やはり相手と関係を修復したいと考えている人もいるのではないでしょうか?
別居から夫婦関係を修復するのは、簡単なことではありません。
しかし、以下の3つの方法を実践すれば、関係修復の可能性は十分あります。
一つずつ見ていきましょう。
別居から関係を修復するためには、まず別居に至った原因を特定しましょう。
原因を特定することで、その改善につなげられるからです。
話し合いの場を設けたり、電話やメールを使ったりして、相手に何が別居の原因になったのかを聞いてみましょう。
腹を割って話し合わないことには何も改善できません。
もし相手が教えてくれないのであれば、自分で自分の行動を振り返り、原因を推測する必要があります。
たとえば、妻側からよく挙げられるのは「共働きなのに夫が家事や育児を十分にしてくれない」という意見です。
一方で、夫側の意見としては「家事や育児をしてもやり方が違うと指摘されてやる気が削がれる」というものが見受けられます。
こうして別居の原因やその認識の違いが明らかになれば、何らかの対策をとり、改善することが可能です。
したがって、まずは別居をするに至った原因の特定に努めましょう。
別居の原因がわかればそれを解決しましょう。
原因となった問題が解決できれば、相手の考えが変わる可能性があるからです。
たとえば、原因が「相手の家事や育児が不十分」だった場合は、家事や育児を細かくリスト化して分担表を作ること、休日は交代で育児を休むことなどを提案してみましょう。
「家事や育児のやり方に対する相手からの指摘」が原因だった場合は、やり方を細かく聞いてメモし、なるべく早く覚えて実践することなどを提案するのが効果的です。
また、ささいな出来事であったとしても「ありがとう」や「ごめんね」など、相手へ気遣いの言葉を忘れずにかけるようにしましょう。
相手を変えるのは至難の業ですが、自分が変わるのは簡単です。
少しだけこらえ、相手に譲歩してみてください。
こうして別居の原因となった問題を自分が主体となって解決することで、相手の考えが少しずつ変わっていき、夫婦関係が改善する可能性があります。
別居の原因を解決し、夫婦関係の修復まで至るには、自分が変わったことを相手に伝えて話し合うことも必要です。
相手に自分の気持ちを伝えなければ、現状は変えられません。
上記の例で言うと
「家事と育児をリスト化して分担してみたんだけど、これならできるかな?」
「教えてもらったやり方をメモしてみたんだけど、同居後はこんな感じでやればいいかな?」
などと、自分が関係改善のために変わるよう努力したことを伝えて話し合いましょう。
あなたが努力したことが伝われば相手の気持ちも少しずつ変化していき、夫婦関係が修復される可能性は十分あります。
この記事では、離婚をせずに別居を選ぶメリットとデメリット、別居から離婚に進む方法や、別居から関係を修復する方法などを紹介しました。
夫婦によって事情は異なるため、この記事を参考にしたうえで、しっかりと話し合ってみてください。
お子さんがいる場合はお子さんのことも考慮して慎重に判断しましょう。
家族が納得できる方向に進むことを願っています。